「通算加入者等期間」「通算拠出期間」とイデコ・企業型DCの「加入者期間」の違い

確定拠出年金における「通算加入者等期間」と移換時の通算

確定拠出年金における「通算加入者等期間」とは個人型DC(iDeCo)又は企業型DCの加入者期間(後半で記載)又は運用指図者であった期間です。退職金や確定給付企業年金等の資産を移換した場合は、移換額に係る勤続(加入)期間も通算されます(重複算入不可)。ただし「その者が六十歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限る」(確定拠出年金法33条2項)(※)ため、60歳以降の期間は算入されません。

※ 厚生労働省の解釈は、平成28年までは「60歳に達した日の前日が属する月(60歳到達月)については、これを算入しないという年金各法における通例的な取扱い」だったようですが、平成29年1月より「60歳到達月を算入する取扱い」に改められました(厚生労働省サイト第18回社会保障審議会企業年金部会資料8「確定拠出年金に係る勤続年数及び通算加入者等期間の拡大について」参照)。部会資料の「60歳到達月」の定義もわかりにくいのですが、法33条2項を日本語通り解釈する取扱いに収束したものと思われます。

記録のみ有する者の通算加入者等期間の通算

確定拠出年金の資産がなくなると資産の移換はできなくなりますが、資産がなくなった理由によっては申し出により(注)通算加入者等期間を通算できる場合があります。
(注)平成30年5月の法改正で資産移換については自動的に移換されるケースが拡大されましたが、記録のみ有する者の記録の通算は自動化が進みませんでした。

通算できるケース(例)

・企業型DCの資産が全額事業主に返還された場合「事業主掛金の事業主返還」参照)
・確定拠出年金の資産が事務費の控除によりなくなった場合
・確定拠出年金以外の制度への移換により資産がなくなった場合(運用指図者期間部分)

通算できないケース(例)

・給付の受給により確定拠出年金の資産がなくなった場合
・確定拠出年金以外の制度への移換により確定拠出年金の資産がなくなった場合(移換先に引き継がれた加入者期間部分)

記録のみ有する者の通算加入者等期間の通算の申出時期

記録のみ有する者となった後、確定拠出年金の通算加入者等期間の通算を申し出ることができるのは、確定拠出年金の加入者となった時とされています。
ただし、記録の管理期限(記録のみ有する者となってから10年)を過ぎて申し出ても通算できないとされています。
(注)不都合がある場合は、記録があるうちに国民年金基金連合会や(記録関連)運営管理機関に相談しましょう。

確定拠出年金の通算加入者等期間を通算するメリット

老齢給付金の受給時期

通算加入者等期間を通算しなければ60歳に達したときの通算加入者等期間が10年未満になりそうな場合、通算することで老齢給付金を請求できる年齢が早まる可能性があります「確定拠出年金における給付(老齢・障害・死亡・脱退)と税」参照)

その他

一般に、老齢給付金(一時金)受給時の退職所得控除額を算出する際は、掛金を拠出した期間(または移換額のそれに準ずる期間)を勤続年数として算出します。記録のみとなった期間のうち掛金を拠出していた期間等の算入可否については明記されていないと思われますが、もし算入されるのであれば通算しておいた方が良いでしょう。

確定拠出年金の「加入者期間」

確定拠出年金の加入者期間は月単位で、「加入日」が属する月は算入し「加入者の資格を喪失した日「企業型DC加入者資格喪失時の選択肢」参照)」が属する月は算入しません。加入者期間(拠出中断月は除く)は老齢給付金(一時金)受給時の退職所得控除額算出にも用います「確定拠出年金の老齢給付金に係る退職所得控除額と退職所得の収入金額の収入すべき時期」参照)。加入者期間は60歳以降も算入できますが、60歳以降の加入者期間は通算加入者等期間(上記)には算入されません。

確定拠出年金の「通算拠出期間」

確定拠出年金の「通算拠出期間」は企業型DCの加入者期間と個人型DC(iDeCo)の加入者期間を合算した期間(※)で、脱退一時金の受給可否の判定に用います「確定拠出年金における脱退一時金の受給要件」参照)

※ 資産移換により加入者期間に準ずるとみなされる期間(移換元制度の加入者期間等)も含みますが、個人型DC(iDeCo)の加入者期間のうち掛金を拠出していない期間は除きます。