「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」(閣議決定)について
総合経済対策(令和6年)の閣議決定
令和6年11月22日に政府は「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を閣議決定しました(内閣府サイト「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」参照)。今回の総合経済対策では公的年金の「年収の壁」対策やiDeCoの拡充について記載されています。
公的年金関連
「年収の壁」問題への対応
人手不足への対応が急務となる中、いわゆる「年収の壁」(※)を意識せずに働く時間を延長することができる環境づくりを後押しする。
「年収の壁・支援強化パッケージ」について、申請書類の簡素化、審査の迅速化、年収の壁突破・総合相談窓口におけるワンストップ相談体制の整備によって、新たに社会保険の対象となる短時間労働者をきめ細かく支援することと併せて、制度の見直しに取り組む。
「年収の壁・支援強化パッケージ」について、申請書類の簡素化、審査の迅速化、年収の壁突破・総合相談窓口におけるワンストップ相談体制の整備によって、新たに社会保険の対象となる短時間労働者をきめ細かく支援することと併せて、制度の見直しに取り組む。
※ 第3号被保険者(被扶養者)として社会保険料負担がなかった者が、一定以上の収入となった場合において、社会保険料負担が発生する、又は、収入要件のある企業の配偶者手当がもらえなくなることにより、手取り収入が減少するという問題。年収 106 万円では厚生年金保険・健康保険に、年収 130 万円では国民年金・国民健康保険に加入することとなり、それぞれ「106 万円の壁」、「130 万円の壁」と呼ばれる。
被用者年金の適用拡大
働き方に中立的な年金制度を構築し、被用者にふさわしい年金給付を実現するため、従業員数 50 人超とされている企業規模要件の撤廃、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消による被用者保険の適用拡大等について、2024 年内に結論を得る。
企業年金
iDeCoの拡充
iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢を 70 歳に引き上げるとともに、拠出限度額の引上げ等について、2024年内に結論を得る。加入時の事業主証明書と年1回の現況確認を廃止し手続きを簡素化するなど、更なる加入者・受給者の負担軽減に取り組む。
情報開示
企業年金について、事業主等が加入者のために必要な見直しが行えるよう、企業年金の運用等の情報を集約し他社と比較できる形で情報開示を行うため、次期年金制度改正に向けて必要な調整を行うこととし、2025 年度からシステム開発等を行う。