特定業種退職金共済(建退共・林退共)の予定利率と給付水準の引き下げ(令和3年10月施行)

中小企業退職金共済法施行令の改正

令和3年5月6日に「中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令が公布されました。この政令では特定業種退職金共済の予定運用利回りが次のとおり引き下げされました(これを用いて算出される給付水準も減額されます)。この政令は令和3年10月1日から施行されます。

建設業退職金共済制度(建退共)

予定運用利回りが年3.0%から年1.3%に引き下げられます。

これは前回の財政検証時(平成26年)には約868億円あった累積剰余金が、令和元年度末には約630億円と減少し、今後もより一層減少する見込であることが影響しています。

林業退職金共済制度(林退共)

予定運用利回りが年0.5%から年0.1%に引き下げられます。

これは累積欠損金の額が前回の財政検証時の約10億円から約7億円まで改善したものの、累積欠損金解消計画の解消年限である令和4年度末までには累積欠損金は解消されない見込であることが影響しています。

清酒製造業退職金共済制度(清退共)

予定運用利回りは2.3%に据え置くこととされました。

これは累積剰余金が前回の財政検証時の約24億円から約25億円に増 加しており、今後累積剰余金は減少していく見込ではあるものの制度の当面の運営には支障が生じない見込であることが影響しています。

経過措置

施行日前に特定業種退職金共済契約の被共済者であった者で施行日後に支給事由が生じた者に係る退職金の額は、従前の算定方法により算定した額を勘案して算定されます、