60歳以降のiDeCo・企業型DC加入時の留意事項(令和4年5月)

iDeCo・企業型DCへの60歳以降の加入(令和4年5月改正)

令和2年6月5日に公布された「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金制度改正法)により、60歳以降もiDeCoに加入できるようになりました。企業型DCも65歳以降も加入できるようになった他、60歳~65歳の加入要件も緩和されました(令和4年5月施行)。

60歳以降にDCに加入できる人

60歳以降にiDeCoに加入できる人

60歳以降でiDeCoに加入(拠出)できる人は次のいずれかです。
ただしiDeCoで給付(老齢給付)を請求した人は加入できません。

種類 留意事項
国民年金第2号被保険者

会社員等の被用者【原則65歳まで】

※ 老齢年金等の受給権がなければ65歳以降も加入できます

※ 企業型DC加入者は令和4年10月まではiDeCoに加入できない場合があります(一部の企業型DC加入者はそれ以降も)

国民年金任意加入被保険者

60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望し、国民年金に加入した者【65歳まで】

 

60歳以降に企業型DCに加入できる人

60歳以降に企業型DCに加入できる人は次の全ての要件を満たす人です。

令和3年9月27日に発出された局長通知において「一定の資格」として「一定の年齢」で加入者資格を喪失する旨規約に定めることも認められました。この年齢は60歳以上で労使で合意した年齢(到達直後の年度末等とすることも可)であれば良く、「合理的な理由」を求める文言は削除されました。

※ 年金局長通知(令和3年9月27日)「「確定拠出年金制度について」の一部改正について」

企業型DCを実施する企業または学校に勤務
厚生年金保険の被保険者(一般には70歳が上限)
企業型DC規約で定めた上限年齢(60歳~75歳)未満
企業型DC規約で定めた加入対象職種等の資格を満たす
企業型DC(他の企業の企業型DCを含む)で給付を請求していない

拠出限度額

60歳以降の拠出限度額の要件は60歳前と同様です。

iDeCoの拠出限度額

種類 拠出限度額
国民年金
第2号被保険者

企業型DC・DB等に非加入・・・月2.3万円

それ以外・・・最大月2.0万円
(加入している制度による)
※ 令和6年12月以降の拠出限度額はこちら

国民年金
任意加入被保険者

月6.8万円

企業型DCの拠出限度額

種類 拠出限度額
確定給付企業年金
等の加入者
月5.5万円
それ以外 月2.75万円
※ 令和6年12月以降の拠出限度額はこちら

(注)各人の会社拠出額は拠出限度額以下で各社が設定
   マッチング拠出実施企業はマッチング拠出との合計額が拠出限度額以下  

老齢給付金の請求可能時期

老齢給付金の請求可能時期に係る要件は次のとおりです。ただし途中で資産がなくなった場合や、移換額の算定基礎期間が途中で途切れている場合等には請求可能年齢が遅くなる場合があります。

資産の移換がなかった場合

請求可能年齢 iDeCo 企業型DC
60歳 50歳前にiDeCoまたは企業型DCに加入
61歳 52歳前にiDeCoまたは企業型DCに加入
62歳 54歳前にiDeCoまたは企業型DCに加入
63歳 56歳前にiDeCoまたは企業型DCに加入
64歳 58歳前にiDeCoまたは企業型DCに加入
65歳 60歳到達前日が属する月以前に
iDeCoまたは企業型DCに加入
65歳~74歳 請求の5年前までに
iDeCoの加入者
または運用指図者に
なった者
請求の5年前までに
当該企業型DCの
加入者になった者
75歳 未請求の資産がある者

(注1)60歳~64歳欄の50歳前~58歳前は、厳密には60歳到達前日が属する月(通算加入者等期間に算入される最終月)までが120月の時点以前~24月の時点以前を指します。
(注2)60歳前にDCに加入していない場合、企業型DCの加入時期がiDeCoの請求可能年齢に反映されないことに注意が必要です。

資産の移換があった場合

他のDCや他の制度(退職金・確定給付企業年金・厚生年金基金・企業年金連合会・中退共)から資産を移換した場合、移換額の基礎となった期間の起算日によって取扱いが異なります。

起算日の属する月が60歳到達
前日が属する月以前の場合
上記の加入日を「加入日か起算日のいずれか早い日」と読み替える
上記以外の場合 読み替えない

留意事項

60歳以降の企業型DCへの加入日や移換額の起算日は、iDeCoの加入日よりも前であっても請求可能年齢に反映されないため、注意が必要です。

企業型DCでは、60歳で受給できない者のうち、一定の範囲の者は加入を任意とする(退職金または前払退職金との選択を認める)ことも検討すべきでしょう。