記録関連運営管理機関(RK)から加入者等への個人別管理資産額等の通知

【記事公開後の更新情報】 

令和2年3月3日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が国会に提出され同年5月29日に成立し6月5日に公布されました「令和2年確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)改正法案(年金制度改正法案)の国会提出」参照)。これにより平成29年1月改正で禁止された国民年金被保険者となれない者(60歳未満)の脱退一時金の受給が改めて可能となる(ただし施行前2年内の加入者資格喪失者までしか遡及しない)他、通算拠出期間の3年要件も5年に見直される見込みです。
(改正及び改正案は赤字で記載)

記録関連運営管理機関(RK)から加入者等への資産額等の通知義務

記録関連運営管理機関(RK)は確定拠出年金(DC)の加入者や運用指図者に対し定期的に個人別管理資産額等を通知することが法律で義務付けられています。

通知方法

毎年1回以上通知することがRKに義務付けられています。通知は基本的には書面で行われますが、書面かインターネットかを個人が選択できる制度もあります。

通知事項

RKは資産額(運用商品毎の内訳別)、加入者期間等、期中の入出金情報等を通知しなければなりません。

RKからの通知の活用(例)

RKから資産額等の通知を受けた場合、加入者や運用指図者は次のように活用することが考えられます。

不自然な点がないことの確認

自身が行った運用指図や移換手続き、拠出額の変更等の内容と通知内容を比較し、不自然な点(例えば運用指図を行ったはずなのに未指図の資産がある等)がないことを確認しましょう。不自然な点がある場合は、手続きの記録をWebまたはコールセンターで確認し、手続きに対する誤解や過失がなかったか確認しましょう。

今後の積立方針等の検討

通知の内容は今後のDCの積立方針を検討するうえで参考になる場合があるでしょう。
運用については、未指図の資産があれば指図を行いましょう。また受給時期が近づいていれば、リスクを抑えた運用に移行するかどうかを検討しましょう。掛金と資産で運用割合が異なる場合は、掛金の運用割合は緩やかに資産の運用割合に反映されます。
企業型DCとiDeCoに資産が分かれている場合は、企業型DCに資産を集約することで手数料の二重払いを回避できる場合があります。
当分の間掛金の拠出を行う予定がない場合で脱退一時金の受給に関心がある場合は、①企業型DCの資産額が1.5万円以下、または②資産額が25万円以下または通算拠出期間が5年(※1)以下で(a)国民年金の第1号被保険者(※2)で保険料が免除されているか、(b)平成28年末以前に加入者の資格を喪失している場合は、脱退一時金の受給要件を詳しく確認しましょう「確定拠出年金における脱退一時金の受給要件」参照)。   

※1 3年以下から緩和【令和3年4月施行】
※2 国民年金の被保険者となれない海外帰国者等も可能に【令和4年5月施行】
  (施行前の加入者資格喪失者もそこから2年経過前なら請求可能)