確定拠出年金(DC)とNISAや財形年金貯蓄との併用と比較(メリット・デメリット)
【記事公開後の更新情報】
NISAやつみたてNISAの期間延長等の法案が令和2年3月27日に成立し3月31日に公布されました(「令和2年度NISA改正に係る租税特別措置法の改正」参照)。
→赤字で反映
企業型DC・iDeCoとNISAや財形年金貯蓄との併用
確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)とNISAや財形年金貯蓄は併用できます。また併用しても拠出限度額が低くなることはありません。
企業型DC・iDeCoとNISA(ニーサ)との比較
個人型DC(iDeCo)とNISA(ニーサ)の比較
個人型DC (iDeCo) | (新)NISA つみたてNISA | |
加 入 者 | 国民年金被保険者 (企業型DC加入者は規約による) (60歳まで拠出可能) (「個人型DCに加入できる者」参照) | 20歳以上 |
拠
| 加入者掛金は所得控除(※2) (事業主掛金は給与所得に係る収入金額に含まれない) | 課税後拠出 |
拠出限度額あり(個人属性毎) | NISA:年間120万円 | |
運 用 時 | 運用益非課税 特別法人税を課税(凍結中) | 運用益非課税 (新)NISA:5年間非課税 つみたてNISA:20年間〃 |
(商品は「確定拠出年金における運用と税」参照) | (商品は金融庁サイト「NISAの概要」、金融庁サイト「つみたてNISAの対象商品」参照) | |
給 付 時 | 退職所得控除(一時金) 公的年金等控除(年金) | 非課税 |
原則60歳以降(年金・一時金) | 中途引き出し可能 |
※1 NISA(ニーサ)については金融庁「NISA特別ウェブサイト」参照。
※2 小規模企業共済等掛金控除。 ただし拠出時に課税される所得がない場合は個人型DCでも拠出時非課税(所得控除)のメリットは享受できません(「個人型DCやマッチング拠出における節税額の試算」参照)。
企業型DCとNISA(ニーサ)の比較
(下表の企業型DC欄と上表のNISA欄を比較下さい。)
確定拠出年金(DC)と財形年金貯蓄との比較
個人型DC(iDeCo)と財形年金貯蓄の比較
(上表の個人型DC欄と下表の財形年金貯蓄欄を比較下さい。)
企業型DCと財形年金貯蓄の比較
確定拠出年金も財形年金貯蓄(※1)も運用益非課税の制度ですが、次のような違いがあります。拠出限度額は別枠となっているため、両方の制度を限度額まで実施することもできます。
(注)現在は特別法人税が凍結されており、給付時に退職所得の非課税枠が大きいため、企業型DCの方が税制上は有利となることが多いようです。財形年金貯蓄には60歳前でも引き出せるというメリットがありますが、その場合は運用益に課税される場合があります。恒久的な制度であることや預金や保険も認められる点もNISAと異なりますので、拠出できる資金の性質に応じた制度を選択しましょう。
企業型DC | 財形年金貯蓄 | |
加 入 者 | 厚生年金保険の被保険者のうち | 55歳未満の勤労者 |
拠
| 事業主掛金は給与所得に係る収入金額に含まれない (加入者掛金は所得控除(※2)) | 課税後拠出 |
拠出限度額あり (「企業型DCの拠出限度額」参照) | 預貯金等は元本(預入額+元加利息)550万円まで、保険等は払込額 385万円まで利子差益非課税(「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」合わせて) | |
運 用 時 | 運用益非課税 特別法人税を課税(凍結中) | 運用益非課税 |
(商品は「確定拠出年金における運用と税」参照) | (商品は「独立行政法人 勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部 サイト」参照) | |
給 付 時 | 退職所得控除(一時金) 公的年金等控除(年金) | 非課税 |
原則60歳以降 (年金・一時金) | 原則60歳以降(年金) (年金以外だと非課税措置がなくなり遡及課税) |
※1 財形年金貯蓄については「独立行政法人 勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部 サイト」参照。
※2 小規模企業共済等掛金控除。 ただし拠出時に課税される所得がない場合は個人型DCでも拠出時非課税(所得控除)のメリットは享受できません(「個人型DCやマッチング拠出における節税額の試算」参照)。
DCと国民年金基金や国民年金付加年金(付加保険料)との比較
国民年金の第1号被保険者の場合、国民年金基金や国民年金付加年金に掛金(付加保険料)を拠出することもできますので、これらとも比較することが必要です(「個人型DCと国民年金基金や国民年金付加年金(付加保険料)との比較」参照)。