金融庁「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2025」で示されたDC運用商品選定の課題等

金融庁「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2025」の公表

令和7年6月27日に金融庁は「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2025」を公表しました金融庁サイト「「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2025」の公表について」参照)。これは金融庁が資産運用の機能を提供する様々な金融機関について横断的なモニタリングを行った内容を取りまとめたもので、今回のレポートには企業型DCやiDeCoの資産運用に関するレポートも含まれています。

運営管理機関の収支構造が、DCの運用商品選定について疑念を生じさせるおそれ 

・DC(企業型DC・iDeCo)では運営管理機関(銀行、信託銀行、証券会社、保険会社など)が商品ラインナップを選定し、加入者等がその中から商品を選択

・業態により「元本確保型商品のみで運用する者」の割合に大きな差
 (地銀等(預金を販売)や損保(保険を販売)は高水準、証券会社は低水準)

・企業型DC導入企業への投資信託の選定実態として、系列の資産運用会社の商品の割合は6割~7割の間が多い
 (ユニバースに占める割合は1割~4割弱にも関わらず) 

・運営管理機関の収支構造は、運営管理業務では赤字で、運用商品の信託報酬の利益と合算することで黒字化(約半数は合算しても赤字)

⇒ この状況は、運営管理機関が加入者等の最善の利益を勘案して運用商品を選定しているか疑念を生じさせるおそれ?

⇒ 手数料水準(注)を検討し企業に提示していくことを期待

(注)運営管理機関の手数料は、記録管理業務を委託したRK(当該運営管理機関が株主であることが多い)に支払う手数料が多くを占める