資産所得倍増プランにおけるiDeCo改革案
資産所得倍増プランの決定
令和4年11月28日の新しい資本主義実現会議は「資産所得倍増プラン」を決定し、資産所得倍増に向けて、以下の7本柱の取組を一体として推進することが示されました。
第2の柱: 加入可能年齢の引上げなど iDeCo 制度の改革
第3の柱: 消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設
第4の柱: 雇用者に対する資産形成の強化
第5の柱: 安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実
第6の柱: 世界に開かれた国際金融センターの実現
第7の柱: 顧客本位の業務運営の確保
なお、税制措置については、今後の税制改正過程において検討することとされました。
iDeCoの改革案(第2の柱)
iDeCo の加入可能年齢の引上げ
【現状】(国民年金被保険者)
①第1号被保険者(自営業者等): 60 歳未満
②第2号被保険者(会社員・公務員等): 65 歳未満
③第3号被保険者(専業主婦(夫)):60 歳未満
④任意加入被保険者:65 歳未満(保険料納付済期間等が 480 月未満の者)
【検討方針】
働き方改革によって、高年齢者の就業確保措置の企業の努力義務が70 歳まで伸びていること等を踏まえ、iDeCo の加入可能年齢を70歳に引き上げる。
このため、2024年の公的年金の財政検証に併せて、所要の法制上の措置を講じる。
iDeCoの拠出限度額の引上げ
iDeCoの拠出限度額の引上げについて、2024年の公的年金の財政検証に併せて結論を得る。
iDeCoの受給開始年齢の上限の引上げ
iDeCoの受給開始年齢の上限(75歳)の引上げについて、2024年の公的年金の財政検証に併せて結論を得る。
iDeCoの手続きの簡素化
NISAと併せて、iDeCoについても、各種手続きの簡素化・迅速化を進め、マイナンバーカードの活用も含め事務手続きの効率化を図る。
iDeCoの改革案(第2の柱以外)
資産所得倍増プランでは「第2の柱」以外でもiDeCoの改革が取り上げられています。
第1の柱(NISAの拡充)・・・口座開設の簡素化
NISAだけでなくiDeCoについても、マイナンバーカードの活用も含め、口座開設の簡素化を検討する。
第3の柱(中立的で信頼できるアドバイスの提供)・・・助言対象を絞った投資助言業
中立的なアドバイザーが行うアドバイスが投資初心者層へ広く提供されるよう、助言対象を絞った投資助言業(例えば、つみたて NISA やiDeCo における投資可能商品に限定)の登録要件の緩和を、必要な監督体制の整備と併せて検討する。
第4の柱(雇用者に対する資産形成の強化)・・・中小企業への普及
中小企業において職場つみたてNISAや企業型確定拠出年金、iDeCoが広がるように、これらの制度の普及に取り組むとともに、必要な支援について検討を行う。
第5の柱(金融経済教育の充実)・・・投資未経験者への働きかけ
これまで投資未経験の方(約8千 万人)に、資産形成に一歩踏み出してもらうための働きかけを行う。