確定拠出年金における年金の受給方法

【記事公開後の更新情報】

令和2年3月3日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が国会に提出され同年5月29日に成立し6月5日に公布されました(「令和2年確定拠出年金改正法案(年金制度改正法案)の国会提出」参照)。この法律には年金の受給開始年齢(上限)を75歳とする改正が含まれています。
(改正は赤字で記載)

確定拠出年金の老齢給付金や障害給付金の受給方法

確定拠出年金の老齢給付金や障害給付金の受給方法には次の3種類があります。

①すべて年金
②一部一時金一部年金
③すべて一時金

確定拠出年金における年金の受給期間と年間受給回数

年金の受給期間

受給開始時期

老齢給付金の受給開始時期は60歳から70歳(※)の間となります。ただし、通算加入者等期間によって受給を開始できるのが60歳よりも遅れる場合があります「確定拠出年金における給付(老齢・障害・死亡・脱退)と税」参照)
なお障害給付金の受給開始には年齢要件はありません。
※ 75歳となる予定【令和4年4月施行予定】

年金受給期間

確定拠出年金における老齢給付金の支給予定期間は5年以上20年以下で自ら決定します。また生命保険商品が提示されている場合は終身年金を受給できる場合があります。
(注)加入者のまま障害給付金の受給を開始した場合は、結果的に長期にわたって年金を受給できる場合があります。

年間受給回数と給付手数料

年金は毎年1回以上受給する必要があります。法令上は月払(年12回払)でも認められます。しかし現在は振込の都度手数料として400円(+消費税)徴収される制度が多いようですので、特段の事情がなければ年間払込回数は少ないほうが良いでしょう。

確定拠出年金における年金額の指定

 保険商品以外で運用する場合

確定拠出年金では請求時に毎年の年金額として指定する額は、請求時の個人別管理資産額の5%~50%とする必要があります(合計で100%)。
年金額の指定方法は一定額だけでなく、額が増減するような指定も法令上は可能です。
運用益が生じた場合には、指定した年金の支給後に運用益を受給できます。
運用損が生じた場合には、資産がなくなったところで年金の支給を終えるため、支給期間が指定した期間よりも短くなる場合があります(支給期間を変えず額を引き下げることができる場合もあります)。

 保険商品で運用する場合  

保険商品の場合、保険会社が約した利回りがあるため、毎年の年金額に利回りをあらかじめ反映することができます。支給額の増減や支給期間は当該保険会社の取り扱っている範囲でしか認められません。
生命保険商品の中には終身年金が受給できる商品もあります。終身年金の場合、保証期間後も生存中は年金を受給できる代わりに、1年あたりの年金額は低めに設定されています。

年金受給期間や一時金受給の検討

一時金受給との比較

年金で受給した場合、一時金で受給した場合と比べて運用益が期待できる点はメリットです。一方で年金で受給した場合、一時金で受給した場合よりも給付手数料が多くかかる他、所得税も高くなる場合があります(※)。また一般に国民健康保険料(税)や介護保険料が多くなります「医療制度改革に向けた健保連の提言と公的保険における企業年金の取扱いの課題」参照)。このため、運用益があまり見込めない場合には、一時金で受給することも検討しましょう。

※ 一時金受給時は「確定拠出年金の老齢給付金に係る退職所得控除額と退職所得の収入金額の収入すべき時期」、年金受給時は国税庁サイトタックスアンサーNo.1600「公的年金等の課税関係」参照。

年金の受給期間や各期間への配分割合

年金で受給する場合、受給期間が長いほど給付手数料が多くかかります。
一方で受給期間が長いほど多くの運用益が期待できます。また所得税も他の収入がなければ受給期間が長いほど抑えられます。ただし、他の収入(公的年金や確定給付企業年金の受給額等)が少ない年の年金受給額を厚めにした方が、一般に所得税は低くなるため、年金の受給額に凹凸をつけることも考えましょう。
なお生命保険商品の場合は、提示されている商品の受給期間や凹凸制限等に従うことが必要です。

確定拠出年金の年金受給中に死亡した場合の給付

確定拠出年金の年金受給中に死亡した場合は死亡一時金が支給されますが、その額の算出方法は運用商品により異なります。基本的な考え方は次の通りですが、保険商品については個別にご確認ください。

・保険商品以外…資産
・保険商品(確定年金)…未支給の年金額の原資
  ※ 「支給予定期間=保証期間」の年金。
・保険商品(終身年金)…保証期間内で未支給の年金額の原資