個人別管理資産額の過大評価と過少評価(イデコ・企業型DC)

個人別管理資産額とは

個人別管理資産額とは、確定拠出年金における自身の資産額の名称です(詳しくはe-Govサイト「確定拠出年金法施行令」第1条参照)。一般にiDeCoの資産額はiDeCoのWebサイト、企業型DCの資産額は企業型DCのWebサイトで確認できる他、毎年1回はそれぞれの記録関連運営管理機関(JIS&TやNRK等)から通知があります。ただしその金額は本当の意味での自身の資産額より大きく表示されたり小さく表示されたりする場合があります。

個人別管理資産額が少なく表示される場合

確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の掛金は一般的には月払ですが、その場合掛金の入金は翌月(例えば4月分の掛金は5月末まで)となります。このため加入中は掛金1カ月分だけ資産が少なく表示されることが一般的です。

また、会社の退職給付制度を見直し、退職金や企業年金(確定給付企業年金等)、中小企業退職金共済から確定拠出年金に移行した場合には、そこから資産が入金されますが、企業年金や退職金共済からの入金は制度変更から3カ月程度かかることが一般的です。また退職金から移行する場合は4~8年で分割して入金されることが一般的です。

また転職時等に前の勤務先の確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の資産や企業年金(確定給付企業年金等)・企業年金連合会の資産を移す場合にも、転職から入金までにはタイムラグがあります。

個人別管理資産額が多く表示される場合

一部の企業型DCでは勤続3年未満で退職した場合、資産が会社に没収される場合があります「事業主掛金の事業主返還」参照)。ただし運用益や入社前から積み立てていた資産は没収されません。没収時期は次の口座に移すタイミングが一般的ですので、元の口座では没収前の金額が表示されることが一般的です。

保険商品(終身年金)

保険商品のうち、特に終身年金については一時金ベースでの表示になじまない商品ですので、表示された金額よりも実際に支給される年金額で実質的な価値を判断することが適当です。
また加入中の商品についても、売却理由により売却価格が異なる等、保険商品固有の取扱いが設けられている場合があります。購入時や売却時の留意事項は運用商品毎の説明書類(またはコールセンター)等でご確認ください。