骨太の方針2025、新しい資本主義2025の閣議決定とDC改正の方向性

骨太の方針2025、新しい資本主義2025の閣議決定

令和7年6月13日に「経済財政運営と改革の基本方針2025」「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」が閣議決定されました(内閣府サイト「経済財政運営と改革の基本方針2025について 」、内閣官房サイト「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」参照)。DC改正の方向性としては、税制改正大綱に基づく拠出限度額の引き上げ等「令和7年度与党・政府税制改正大綱におけるDC(iDeCo等)拠出限度額の引き上げ案」参照)が示されています。

「経済財政運営と改革の基本方針2025」におけるDC改正の方向性

(7)資産運用立国の実現

資産運用立国に向けた更なる改革を実行する。全世代の国民が自身のライフプランに沿った資産形成が行えるよう、NISA制度の一層の充実の検討、金融資産やキャッシュフローの状況を容易に把握できる環境の整備に取り組むほか、企業型DC(企業型確定拠出年金)及びiDeCo(個人型確定拠出年金)の運用改善を進めるとともに、令和7年度税制改正の大綱に基づく拠出限度額の引上げの速やかな実現を目指す企業年金加入者のための運用の見える化を行う。家計の安定的な資産形成の基盤となる金融経済教育を充実する。(以下略)

「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」におけるDC改正の方向性

2.家計の安定的な資産形成 

 確定拠出年金(iDeCo及び企業型DC)については、令和7年度税制改正大綱に盛り込まれた、賃金上昇の状況を勘案した拠出限度額の引上げの速やかな実現を目指す
 老後に向けた資産形成を促進する観点から、拠出実態を踏まえ、出限度額の考え方について、各国の制度も参照しながら、次期年金制度改革までに検討し、その結果に基づき適時に引上げを行う
 企業型DCについて、足元の物価が上昇する市場環境下において、元本確保型商品では実質的な購買力を確保できない可能性があることについて、事業主は加入者に対してより丁寧に説明するとともに、必要に応じて指定運用方法を含めた運用商
品の構成の見直しを検討するよう促す。
 確定拠出年金については、NISAと比較して多数の主体が関与する制度となっていることを踏まえ、厚生労働省は、内閣官房や金融庁など関係省庁の協力の下、手続の簡素化・コストの低減等の改善につながるよう、iDeCoにおけるプラットフォームとしての国民年金基金連合会の役割を含め、拠出限度額の管理や情報連携などについての大胆な改革について、本年度中に検討に着手し、できるものから速やかに実施する
 企業年金(DB及び企業型DC)の運用状況等の情報開示に向け、厚生労働省が情報を集約し公表することとされているが、必要に応じてデジタル庁とも連携しながら、その早期実現を図る

5.資産運用業・アセットオーナーシップの更なる高度化

資産運用を支えるバックヤードの業務・システムについて、カストディアン(資産管理信託銀行)・レコードキーパー(確定拠出年金の記録関連運営管理機関)・システムベンダーなどの様々な関係者が存在し、その内容が複雑化・高コスト化しているとの指摘もある中で、資産運用のインフラとなっている業務・システムの合理化に向けた実態把握を進める。また、アセットオーナーを支える金融機関等に対するモニタリングの更なる強化を図る。