企業型DCにおける過半数代表者選出時の留意事項(働き方改革関連省令改正)

確定拠出年金法施行規則の改正(働き方改革関連省令)

平成30年9月7日に「 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(注)の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令 」が公布され、確定拠出年金法施行規則が改正されました(平成31年4月1日施行)。

(注)厚生労働省サイト「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について参照。

企業が企業型DCや中小事業主掛金納付制度(iDeCoプラス)を実施したり制度内容を変更する場合には、原則として労使合意が必要となりますが、労働組合がないまたは組織率が低い(厚生年金保険の被保険者の過半数に満たない)場合は、厚生年金保険の被保険者の過半数を代表する者(過半数代表者)に同意を求めることとなります。今回の省令改正では、過半数代表者選出時の留意事項として次の事項が明示されました。

① 当該過半数代表者は事業主の意向に基づき選出されたものでないこと。 
② 当該過半数代表者が当該同意及び協議に関する事務を円滑に遂行することができるよう、事業主は必要な配慮を行うこと。 

「必要な配慮」とは

②の「必要な配慮」とは、労働基準法施行規則の解釈と同様、「例えば、過半数代表者が労働 者の意見集約等を行うに当たって必要となる事務機器(イントラネット や社内メールを含みます。)や事務スペースの提供を行うこと」が含まれるものと思われます。

引き続き適用される要件

改正前の以下の要件は引き続き満たすことが必要です。

労働基準法第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと(※)
④ 過半数代表者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、事業主の意向に基づき選出されたものでないこと
⑤ 事業主は次のことを理由として不利益な取扱いをしないこと
(ア)過半数代表者であること
(イ)過半数代表者になろうとしたこと
(ウ)過半数代表者として正当な行為をしたこと
※ ③に該当する者がいない場合は③の要件は適用されません。