企業型DC・DBの加入資格の整合性の確保状況(令和4年5月)

【記事公開後の更新情報】

令和3年9月27日に発出された年金局長通知「「確定拠出年金制度について」の一部改正について」の内容を反映しました。

企業型DCの加入者の「65歳未満」要件の撤廃(年金制度改正法)

令和2年6月5日に公布された「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金制度改正法)により、企業型DCの加入者の「65歳未満」要件が撤廃され、厚生年金保険の被保険者であれば企業型DCの加入者とすることができます(令和4年5月施行)。

企業型DCの加入者の「年齢による資格喪失」要件の許容

令和3年9月27日に改正された年金局長通知(下記)により、「一定の年齢未満」の従業員のみを企業型DCの加入者とすることも選択できることとされました。ただしこの「一定の年齢」は60歳以上とすることとされました。

「一定の年齢」

「一定の年齢未満」の従業員のみを企業型年金加入者とすること。

(注)確定拠出年金は従業員の老後の所得確保を図るための制度であって、「一定の年齢」を60歳より低い年齢とすることはできない。ただし、企業型年金の開始時又は企業型年金加入者の資格取得日に50歳以上の従業員は、自己責任で運用する期間が短く、また、60歳以降で定年退職してもそのときに給付を受けられないという不都合が生じるおそれがあることから、50歳以上の一定の年齢によって加入資格を区分し、当該一定の年齢以上の従業員を企業型年金加入者とせずに、当該一定の年齢未満の従業員のみを企業型年金加入者とすることはできるものであること。

 

DBの加入者資格との関係

DB(確定給付企業年金)と企業型DCの加入者資格については、令和元年12月25日に公表された、「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の整理」(厚労省サイト「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の整理」参照)では次のように記載されていました。

DB・企業型DCとも退職給付制度であることから、加入者資格等の考え方は両制度において整合的であることが基本となる。両制度を併せて実施している企業も多く、加入可能要件をDBと企業型DCにおいて統一して厚生年金被保険者(70歳未満)を加入可能とするのであれば、加入者資格等の考え方について企業型DCをDBに合わせることを基本的な方針として整合性を図り、法令解釈通知においても明記し、周知すべきである 。

しかし今回のDCの加入者資格における年齢要件は、DBの加入者資格における年齢要件(下記)とは一致していません。両制度の受給要件の違い等が加入者資格の共通化の妨げとなったのかもしれません。

「一定の年齢」以上の従業員のみを加入者とする場合にあっては30歳以上の従業員について、「一定の年齢」未満の従業員のみを加入者とする場合にあっては50歳未満の従業員については、少なくともこれを加入者とするものであること。