【令和2年】社会保障審議会企業年金・個人年金部会の開催(第11回~第16回)

 

社会保障審議会企業年金・個人年金部会の再開(令和2年6月)

令和2年6月17日に社会保障審議会企業年金・個人年金部会が再開されました(第11回~)。
(注)資料・議事録は厚生労働省サイト「社会保障審議会(企業年金・個人年金部会)」参照。

検討が見込まれる事項(概要)

第11回以降は昨年部会でとりまとめた議論の整理厚生労働省サイト「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の整理」参照)のうち、令和2年6月5日に公布されたDC法改正「令和2年確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)改正法案(年金制度改正法案)の公布」参照)に反映されなかった事項や細部の検討が必要な事項が検討される予定です。特に特別法人税の撤廃と拠出時・給付時の規制との関係については、昨年の「議論の整理」でも次のとおり記載されており、大きい論点の一つです。

今後、特別法人税を撤廃して、公的年金や公的年金に準じた取扱いとなっていた厚生年金基金同様、拠出時非課税・運用時非課税・給付時課税(EET)という税制上の措置が認められるためには、 拠出限度額・中途引き出し・受給の形態といった拠出時・給付時の仕組みの在り方が改めて問われることから、税制との関係も含めて、引き続き丁寧に検討を継続していく必要がある。

年金制度改正法関連

企業型DC加入者のiDeCo加入(令和4年10月)

企業型DC加入者のiDeCo加入については、「年単位化」している制度では実務上の理由で認められない可能性があります「「年単位化」した企業型DC加入者はiDeCoに加入(併用)できない?」参照)

iDeCo加入時の事業主証明の簡素化

DB実施事業主がDB加入者情報を国民年金基金連合会に連携することが検討されています。

拠出限度額

iDeCoにおける拠出限度額の種類の簡素化・DBとの調整

令和2年DC法改正時の与野党修正で検討事項に加えられた内容「令和2年確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)改正法案(年金制度改正法案)の公布」参照)も踏まえ、簡素化のあり方が検討課題となっています。厚生労働省令和3年度税制改正要望ではDBの水準に応じてiDeCoの拠出限度額を調整する仕組みが要望されており、具体的な内容がこの部会で検討されています(「DBの水準に応じた企業型DC・iDeCoの拠出限度額調整の審議」参照)

DB加入者の企業型DCの拠出限度額をDBの水準に応じて設定

現在はDBの水準に関わらず2分の1とされています。これについて昨年の「議論の整理」では次のような意見が紹介されています。これについては第12回部会以降、検討が本格化しています(「DBの水準に応じた企業型DC・iDeCoの拠出限度額調整の審議」参照)

・ 現行は確定給付企業年金(DB)ごとや加入者ごとの給付水準から設定したものでなく、公平性の観点からは、給付水準の低いDBに加入している場合はDCの拠出可能額は本来大きくあるべきで、他方、給付水準の高いDBに加入している場合はDCの拠出可能額は本来小さくあるべき
・ DBを一律に評価するのではなく、DBの掛金も、一定の前提を置いて数理的に拠出相当額を加入者ごとに算出すべき

DBとDCに共通の非課税限度額(いわゆる「穴埋め型」)

これについては、昨年の与党税制改正大綱や政府税制調査会の答申等でも検討課題とされています「穴埋め型(全国民共通の非課税貯蓄枠)の引退後所得保障制度」参照)。昨年の「議論の整理」では次のような意見が紹介されています。

・ 制度の公平性を確保するとともに制度を分かりやすくする観点から、国民一人ひとりが老後の備えのための非課税拠出の枠を持つこととし、各人がそれぞれの方法で、老後に向けた非課税の拠出を行うことができる仕組みを目指すべき
・ DBは退職給付由来であることから拠出限度額を設けることは適当ではない
・ 特にDBに拠出限度額を設けることは、DBを実施している企業に与える影響は大きい
・ 企業による確定給付型の拠出相当額や企業型DCへの実際の拠出額を上限額から控除し、残余がある場合は個人の所得から非課税拠出を可能とする場合、個人の拠出は、個人型確定拠出年金(個人型DC(iDeCo))のみならず、企業型の枠組みを活用したマッチング拠出や国民年金基金も活用できるのではないか
・ 企業による確定給付型の拠出相当額や企業型DCへの実際の拠出額を含めて、個人ごとの拠出額をどう一元的に管理し、また、どの機関が管理業務を担うのか、実務上の負担についても十分考慮すべき
・ 企業年金・個人年金のみならず、退職金共済(中小企業退職金共済等)や他の資産形成制度もあり、これらも含めた対応が必要である
・ 企業年金が退職給付由来であり労使合意に基づく制度であるということを十分に留意する必要がある
 ・ 特にDBを実施している企業においては大きな制約になるものであり、各企業の制 度に与える影響は大きく、企業年金の普及・拡大の観点から、慎重かつ丁寧な議論が必要
 ・ 具体的な制度設計によっては老後所得確保の流れに逆行する
 ・ 老後生活における自助・共助・公助の役割分担に関連する

拠出限度額の水準

昨年の「議論の整理」では次のような意見が紹介されています。

・ 拠出限度額の具体的な水準等も併せて検討すべき
・ 掛金の状況と加入者拠出に係る税の公平性を踏まえ、DCの拠出限度額の見直しの必要性について慎重に検討すべき

 

企業年金連合会・国民年金基金連合会等の基盤強化

例えば年金制度改正法案に対する参議院厚生労働委員会における附帯決議で「 個人型確定拠出年金の加入者手数料等に係る透明性を確保するため、国民年金基金連合会等に対し、手数料の算定根拠に関する情報公開を定期的に行うよう促すこと」とされたことへの対応等が含まれるものと思われます。

企業型DCのガバナンス

平成30年5月等に施行された前回法改正「平成30年5月(及び平成30年1月・平成29年1月)施行の確定拠出年金法等の改正」参照)について、厚生労働省等で実態を把握したうえで、改善点を検討する見込みです。

対象テーマ(例)
・継続投資教育
・運営管理機関等の評価
・運用商品モニタリング
・運用商品提供数
・ 商品除外手続
・指定運用方法の設定

その他DC関連

 iDeCoプラス(中小事業主掛金納付制度)の人数要件緩和については、年金制度改正法案の附則や衆議院の附帯決議でも検討事項とされており、野党修正案の500人も含め検討課題となることが考えられます。

その他DB関連

次の事項は厚生労働省が考え 方を整理した上で議論される見込みです。

① リスク分担型企業年金の合併時・分割時等の手続
② 定年延長等の雇用延長に伴う給付設計の 見直しに当たっての手続
③ 支払保証制度(法改正事項)
④ 年金バイアウト(法改正事項)

 

開催状況

(注)資料・議事録は厚生労働省サイト「社会保障審議会(企業年金・個人年金部会)」参照。

テーマ 開催日
11 制度改正の進捗状況 と今後の検討課題・進め方について、他 令和2年6月17日
12 (1)DCの拠出限度額について
(2)DBの掛金設定の弾力化について
令和2年7月9日
13 関係団体からのヒアリング 令和2年8月20日
14 関係団体からのヒアリング 令和2年8月26日
15 (1)DCの拠出限度額について
(2)DBの掛金設定の弾力化について
令和2年9月30日
16 DCの拠出限度額について 令和2年10月14日